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<八百長疑惑裁判>賠償を3割以下に減額 東京高裁判決(毎日新聞)

 大相撲の八百長疑惑を報じた週刊現代の記事で名誉を傷付けられたとして、日本相撲協会と北の湖前理事長が発行元の講談社や筆者らに1億1000万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は17日、1審に続いて講談社側の賠償責任を認め、賠償命令額を1540万円から440万円に大幅減額した。藤村啓裁判長は「名誉棄損の慰謝料は著名人であるかどうかで左右されるべきでない。1審の認定額は高すぎる」と述べた。

 同誌07年3月10日号は、元横綱の前理事長が75年春場所千秋楽で元大関貴ノ花(故二子山親方)と八百長相撲をしたなどと報じた。高裁は1審に続き、記事取り消し広告の掲載も命じた。

 高裁は「記事が真実であることの証明がない」として名誉棄損を認定。前理事長への賠償額について「地位や収入に現実の損害が生じているとは認められず、精神的苦痛に対する慰謝料のみを認めるべきだ」として330万円と算定した。協会についても「興行実績悪化などの実害はなく、記事に対する対応や力士への調査などで不利益を受けたに過ぎない」と判断し、賠償額は110万円とした。

 09年3月の東京地裁判決は、前理事長が最高位の横綱を長期間務めた点や協会の損害などを考慮していた。【伊藤一郎】

 ◇東京高裁が異例の判断

 著名人による名誉棄損訴訟で高額な賠償を命じる司法判断が目立つ中、東京高裁の「知名度によって慰謝料額に差をつけるべきではない」とする判断は異例だ。

 楽天の三木谷浩史会長が新潮社などを提訴した訴訟では、東京地裁が09年1月、「社会的評価を相当低下させた」として990万円の賠償を命令。八百長疑惑報道を巡って元横綱・朝青龍関らが講談社を訴えた訴訟では、東京地裁が09年3月に計4290万円の賠償を命じ、東京高裁も同12月に「著名な力士とはいえ、1審の賠償額は高すぎる」としたものの賠償額を計3960万円とした。

 名誉棄損訴訟に詳しい梓澤(あずさわ)和幸弁護士は「従来の判例では、政治家や芸能人に対する慰謝料を高く認定する傾向がある。一般市民が著名人並みの慰謝料を認定された例は極めて少ない」と分析。そのうえで「人間は知名度の有無で差別されてはならず、賠償額に差をつけるべきではないだろう」と話している。【伊藤一郎】

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